散歩に行こうと思い立ち植物園に行く。
眩しい日射しの秋空。ひやりとした風が、紅を赤に変えていく。
移築された農家の軒先き、秋の暖簾は寒風に揺れ、移る時間に身を任す。
ゆらり、ゆらりと影落とす。
庭の向こうに小さな影............
月から降りた雪うさぎ。人の世界ぢゃ影となり.........................
ゆるり、ゆるりと宙を舞う。
月の空蝉、電球が小さな灯りで影照らす。
束の間..........ほんの束の間.の
儚い移ろい、朧げで遠い記憶。夢の中。
ふと、亡き父の事を思い出す。家族の記憶.........日常の営み。
私は今、ここにいる。
ただそれだけの事だけど、小さな幸せ見つけた幸福。
庭には、おひさま
冷たい土間に足のばし、ひやりとすぐに引っ込める。
短い秋の昼下がり。
時が止まったこの場所は、二次元的な影の国。
冬の気配は駆け足で、冷たい板間を駆け抜ける。
夕暮れ時が来る前に、そろそろ月へ帰ろうか?
カラン、コランと鐘鳴らし.......