初めてバリ島を訪れたときの話。
村はずれ2棟続き、4棟ほどの小さなロスメン(安宿のコテージ)に一人泊まっていた。
2日目の夜、耳元で大きな声。
名前を呼ばれて目が覚めた。
虚ろな状態なれど身を起こし、あたりを見渡すが誰もいない。
しばらくして3度ほど、同じように声が聞こえた。
正確には頭の中で声が響いたという感じだろうか。
確かに私の名前だった。
怖くはなかった。
ま、空耳だなと。
翌日、日が落ちる頃になると、やはり、昨日のことが気になる。
何か、ここに「イワク」があるのではと、どうしても聞いてみたくなる。
すると事も無げにこう言われた。
「ああ、それはガマンという精霊(妖怪?)だ、返事をすると連れていかれるよ」
神隠しに合うという事らしい。
からかわれたのか、何なのか、
ただ、その後、何回か同じような話を聞いた事がある。
また、連れて行かれたという人にも会った。
まことしやかに、ささやかれる様々な伝説、言い伝え。
バリは不思議の島だ。
15年も前の話。
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こんな時間に何故、こんな話を書いているかというと
気になって、寝付けないことがある。
ダドンと呼んでいた老婆が、ここ半月行方不明だと聞いたから。
ダドンは、バリ、プンゴセカンに住む老婆で耳が不自由、
しゃべる事もできない。
バリを訪れるたび、いつも私を暖かく迎えてくれた。
不幸な生い立ちの老婆だが、前向きで逞しく、苦労を重ねた分、
深い慈愛に満ちた目をしている。
とても優しい人だか、障害ゆえ、エキセントリックに思われる事も。
そんなダドンが行方不明。
神隠しに合ったともいわれているらしい。
辛い思いをしていないかと心配だ。お腹をすかせていないかと心配だ。
遠く離れたここにいて、何もできないが、
早く家族の元に戻ってきて欲しいと切に思う。
ダドンに逢いたい。
※もし、バリで、ダドンを見かけたら情報をお願いします。
特徴
ダドンは、おばあさんの意。本当の名前は知らないのです。
頭にターバンのように、少し汚れたタオルを巻いている事が多い。
上半身は、ブラジャーを2枚重ねし、腰にサロンを巻いている事も多い。
(言葉で書くと妙だが、バリでは自然な姿に見えた)
あ〜、う〜としか喋れないが、身振り手振りで意志を伝えられる。
マッサージが得意。(病人の患部が分かるようで気になると話しかけてくるが
金銭が目的ではない)